ニュース・リリースとは、広報活動の一手段として、企業が新商品や新サービスの情報をマスコミに提供する文書などを指します。プレス・リリースと呼ぶこともあります。
何をいまさらそんなことを、と思った人もいるでしょうが、「誰に」「何を」提供するかを、これからニュース・リリースを書こうという人はしっかりと意識する必要があります。
誰に提供するか――新聞、雑誌、テレビなどマスコミに。
何を提供するか――自社の新商品や新サービスなどを。
さらに、情報を提供することで何を期待するのかも確認しておきましょう。
当然、自社の商品などを記事やニュースとして紹介してもらうことが目的です。「誰に」「何を」「なんの目的で」――この3つから、書き方のポイントが見えてきます。
マスコミ人はおおむね忙しく、面倒くさがり屋です(筆者もそうでした。私は元雑誌編集者です)。
一方で、面白いネタには飢えています。
こうした人種ですから、「これは!」という情報にはすぐ飛びつきます。また、常にアンテナを張って情報を集めています。
しかし、玉石混交のニュース・リリースの山を前にして、1枚1枚丁寧に読むようなことはしません。少し読んで「これは!」というカンが働かなければ、ごみ箱にポイ。ほとんどのリリースは最後まで読まれることはありません。
では、どうすれば玉石混交の「玉」にすることができるのでしょうか。簡単なことではありませんが、何よりも、ニュース・リリースの「型」にはめるようにしましょう。
時々、奇をてらった文書を送る人がいますが、それで目立ったからといって、最後まで読んでくれるようになるかは別です。型通りのほうがマスコミの人たちは安心して読めるので、むしろ丁寧に読んでもらえる可能性は高まります。
実際、ニュース・リリースの型は売り込みたい商品などの特徴を素早く知らせるようにできています。型にはめる――ここがまさに、「キホンのキ」なのです。
では、具体的に見ていきましょう。
①ヘッダー:宛先、リリース配信日、自社名などです。
②タイトル・サブタイトル:それぞれ30字以内でわかりやすく。
③リード:新聞の1面にあるような、端的に内容をまとめたものをリードと呼びます。数字や5W1Hを意識しましょう。
④本文:商品紹介に留まらず、社会的意義なども書くのがポイントです。
⑤フッター:問い合わせ先を明記しましょう。
記者や編集者は通常、タイトルを見て、自分に関係するものかどうかを判断します。関係がありそう、面白そうとなるとリードに移ります。
実は、リードはとても重要で、本文に書いているからといい加減につくると、記事になるようなことはまずありません。文章にするのが苦手なら、箇条書きでもいいですから、新商品や新サービスが、いままでのものとどう違うのか、何を社会にもたらすのかなどを端的に示すことが重要です。
最後になりましたが、写真もおろそかにしないように。インパクトのある写真はそれだけで目を引きます。