ニュースリリースの配信サービスがいくつも登場した結果、メディア関係者はそれこそ毎日、山のようなリリースを目にするようになりました。そんななか、記者や編集者が読むかどうかの判断材料にするのが、そのリリースの「タイトル」です。みなさんも、新聞やニュースサイトで、自分にとって必要な情報かどうかをタイトルで判断していることでしょう。それと同じです。
タイトルで「読んでみよう」という気になれば、リードに進みます。リードでもう一度、判断しなおし(リードについては回を改めて)、「なるほど」となれば本文に目が移ります。いずれにしても、タイトルが最初の関門であることは間違いありません。
では、どんな点に気をつけてタイトルをつければいいのでしょう。また、読み進んでもらえるのはどんなタイトルなのか。ポイントは3つあります。
①文字数の目安は30文字以内
昔は郵送かファックスでリリースを送るのが基本でした。よって、紙の大きさはA4。そこに長いタイトルをつけると、複数行にわたってしまいます。これでは読みにくい。ウェブ上で読む場合でも、事情はそれほど変わらないでしょう。以下の文で26文字です。すっきりした感じなのがよくわかるでしょう。
「ニュースリリースのタイトルは30文字以内にするのが基本」
②内容を的確・適切にまとめる
抽象的な言葉では、読み手の理解は進みません。5W1Hや数字、固有名詞などを適切に使って、何がどうしたのか、それによってどんなメリットがあるのかを、コンパクトに表現しましょう。そのためにも、まず書き手の側が「狙い」「目的」「視点」を明確にしておくことが大切です。同時に、どこに力点を置いて書くべきか、第三者目線でニュースバリューを今一度、確認しておくことも重要。案外、第三者からみると「Aという切り口よりも、Bのほうが面白そう」というケースはよくあります。周りの人にも協力してもらいながら、読み手の興味や関心を探るようにしましょう。
③流行語・キーワードをうまく活かす
本稿の第4回でも書きましたが、時代と社会の背景を書けば目を引く確率は高まります。たとえば、いまだったらSDGsや環境、少子高齢化などが、その最たるキーワードで、こうした言葉が入っているだけで「何かあるのかな?」となるものです。そして、目を引くキーワードはできるだけタイトルの前のほうに置く。これも、目につきやすいようにする工夫のひとつです。
なお、タイトルではオーバーな表現や過度の修飾を避けるようにしましょう。別にルールというわけではありませんが、「!」や「!?」は印象を悪くする可能性があるので使わないようにしましょう。